多胎児の素数とはどのようなものか?

紀元前から発見され,今もなお研究が続けられている素数。
その長い歴史の中で素数は利便性,類似性,共通性,特殊性をもって様々な種類に分類されてきた。

多胎児とは1回の妊娠で同時に生まれた複数の子供の事で,それになぞらえて,素数の世界にも「多胎児の素数」が存在している。
この「多胎児の素数」とは一体,どのようなものだろうか?

まず,最初の多胎児といえば双子である。
数学では双子素数と呼ばれる組み合わせの素数が存在しており,それは3,5や17,19などのp,p+2で表すことができる素数の組だ。
双子素数は小さい素数から探すと(2,3)(3,5)(11,13)(17,19)と意外にも多く見つける事ができる。

さらに三つ子素数と呼ばれる組もあり、5,7,11などのp,p+2,p+6またはp,p+4,p+6で表すことができる素数の組だ。

これら多胎児の素数のイメージとしては,奇数の数直線を想像してみると分かりやすい。
奇数の垂直線上で「連続して存在する2つの素数の組」が双子素数あるのに対して,三つ子素数の場合は奇数の数直線上で「連続して存在する2つの素数の組」と,「その素数の組から1つ分だけ隔てて存在している素数」の3つの素数からなる組み合わせの事だ。

双子素数の場合

3,5,7,9 (11,13) 15,17,19・・・

奇数の数直線上に連続して存在する素数の組。

三つ子素数の場合

3 (5,7) 9 (11) 13,15,17,19・・・

奇数の数直線上に連続して存在する2つの素数(5,7)から1つ分だけ隔てて存在している素数(11)の3つの素数(5,7,11)からなる組み合わせ。
この例での「隔たり」は9である。

双子素数の定義からして三つ子素数の定義はp,p+2,p+4という定義になりそうだが,この定義であればこれらの数のうち1つは必ず3の倍数になってしまう。

素数のうち3の倍数であるのは他でもなく3のみなので,その条件を満たす3つの素数の組は3,5,7しか存在しないのだ。

同様に,四つ子素数も存在する。
四つ子素数は5,7,11,13のようなp,p+2,p+6,p+8で表す事ができる素数の組み合わせで,奇数の数直線上で2つの双子素数が1つ分だけ隔てて存在している4つの素数からなる組み合わせである。

四つ子素数の場合

3 (5,7) 9 (11,13) 15,17,19・・・

2つの双子素数(5,7),(11,13)が1つ分だけ隔てて存在している4つの素数(5,7,11,13)からなる組み合わせ。この例での隔たりは9である。

このように多胎児の素数は六つ子まで定義ているが,七つ子以降は組み合わせを構成する数に3の倍数が出現するため,八つ子である(3,5,7,11,13,17,19,23)を除いて七つ子以上の組み合わせは存在しないのだ。ちなみに,出産に成功した最大の多胎児の数はヒトの場合は七つ子までで,1人分上回っている。

また,「双子素数は無限に存在するか?」という「双子素数予想」は未だに証明されておらず、数学最古の難問と呼ばれている。

素数の組を探すのは出産と同様に,子供が増えれば増えるほど難しいのだ。