飛行中にまさかの猫が登場、パイロットも思わず二度見

自由気まま、そして予測不可能な猫の行動に、思わず驚いたことのある人は多いのではないでしょうか。フランス領ギアナでパイロットのインストラクターをしているRomain Jantot氏もその一人です。

2015年のある日、いつものように準備を行い、女性客を乗せて離陸した直後、彼は驚くべき光景を目の当たりにしました。

動画の0:38 時点から、画面右端で何かが動きます。

Youtube romain jantot 『Remove cat before flight』より

その正体はなんと猫でした。強風に当たりながらも、助けを求めるように運転席のほうに顔を出します。

Youtube romain jantot 『Remove cat before flight』より

動画のちょうど 1:00 時点でRoman氏が、”そこにいるはずのないもの”に気付き、思わず二度見してしまいます。

Youtube romain jantot 『Remove cat before flight』より

動揺はしたものの、Roman氏は女性に猫がいること、飛行場に引き返すこと、そして猫には手を伸ばさないことを冷静に伝えます。猫も専用手すり(?)に掴まりながら大人しくじっとしています。

Youtube romain jantot 『Remove cat before flight』より

無事に着陸し、猫を保護しようとするRoman氏。猫の毛は強風でボサボサになってしまいました。

Youtube romain jantot 『Remove cat before flight』より

猫は翼の”内側”にいたため、フライト前のチェックでは見逃してしまったものの、おかげで猫は終始無事でした。

もちろん、猫をはじめ、命に関わるような重大な事故に繋がりかねない事態ではありましたが、冷静な2人と1匹のおかげで無事に不運を乗り切りました。猫はとても元気だったとのことです。

39個の地雷と28個の不発弾を発見したネズミに金メダルを授与、ペット愛護団体PDSA

イギリスのペット愛護団体であるPDSAはこのほど、カンボジアで地雷撤去作業を行ってきたネズミの「マガワ」に金メダルを授与したと発表しました。

2013年に生まれたアフリカオニネズミのマガワは、ベルギーに拠点を置く慈善団体APOPOで訓練を受け、これまでに39個の地雷と28個の不発弾を匂いで発見しました。

アフリカオニネズミは中央アフリカに生息する大型のネズミで、視力はあまり良くないものの嗅覚が非常に鋭いことで知られており、APOPOの訓練担当者によると、訓練を受けたネズミは20分で200㎡を探査することができますが、同じ広さを人間がやると4日もかかってしまうそうです。

体重が1.2kgのマガワは地雷を踏んでも爆発しないため、危険はほとんどありません。訓練を受けたアフリカオニネズミが地雷のTNT火薬の匂いを嗅ぎつけるとその場で地面を引っかくので、人間が印をつけておき、あとで爆破させて処理します。


Youtube PDSAより 『HeroRAT Magawa is awarded the PDSA Gold Medal』

表彰を行ったペット愛護団体のPDSAはこれまでにも30匹以上の動物にメダルを授与してきましたが、ネズミが受賞するのは今回が初めてだそうです。

カンボジアでは現在でも1970~1980年代の内戦で敷設された地雷が最大600万個も埋まっているとみられており、1979年以降、6万4,000人が地雷で死亡し、2万5,000人が義足を使用して生活しています。

[alert title=”エピネシス・コラムズ”]アフリカオニネズミは地雷撤去のほかにも、結核患者をみつける訓練なども行っており、大きな功績をあげています。[/alert]

大昔の巨大ザメ「メガロドン」の体長が判明、ブリストル大学らの研究

Great White Shark
Great White Shark flickr photo by Elias Levy shared under a Creative Commons (BY) license

イギリス・ブリストル大学とスウォンジー大学の研究者らは、先史時代に海を支配していた巨大ザメ「メガロドン」について、より正確な体長を算出したとする研究成果を発表しました。

メガロドンは数百万年前に絶滅した巨大ザメです。サメは軟骨魚類であり、化石は基本的に歯しか残らないため、これまで体長や寿命などの推定が困難でした。

研究チームはメガロドンの歯の化石を基に現在のサメと比較し、より正確な体長を割り出しました。

メガロドンの体長はなんと18m、体重は48トンにまで成長したそうです。これは、平均的なホホジロザメの3倍以上のサイズに相当し、これまで考えられてきたメガロドンのサイズ(10~16m)を大きく上回ります。

メガロドンのサイズ
『Body dimensions of the extinct giant shark Otodus megalodon: a 2D reconstruction』より。
図中の(a)は成体、(d)は成体のイメージイラストです。(b)は新生児、(c)は幼体の大きさです。

新生児の体長が3mにも達することからも、その驚異的な大きさがうかがい知れます。

絶滅と思われていた”歌う犬”、ニューギニア・シンギング・ドッグの野生個体を発見

NEW GUINEA SINGING DOG
NEW GUINEA SINGING DOG flickr photo by cuatrok77 shared under a Creative Commons (BY-SA) license

野生では絶滅したと思われていた、希少種「ニューギニア・シンギング・ドッグ」の仲間がニューギニア島に生息しているという調査結果が、8月31日にアメリカ科学アカデミー紀要で発表されました。

ニューギニア・シンギング・ドッグはもっとも古い犬種の一つで、オオカミを家畜化する過程でヒトにより改良されたもっとも初期の特徴を備えており、オーストラリアのディンゴなどとは近縁の関係にあります。もともとは人に飼育されて改良された家畜でしたが、やがて逃げ出して野生化しました。

参考記事
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歌う犬、ニューギニア・シンギング・ドッグ

この犬の特徴はなんといっても歌うこと。ときに数頭~数十頭が集まり、特徴的な遠吠えを行います。

また、関節や脊柱が極めて柔軟であり、猫のように高い所に飛び乗ることができます。

現在は保護施設や動物園で約200頭が飼育されていますが、どの個体も1970年代に捕獲された野生のシンギング・ドッグの子孫で、近親交配がかなり進んでいるのが現状です。こうした状況では有害な遺伝子の蓄積が起きるため、長期化すると大きな問題になります。

ハイランド・ワイルド・ドッグ

野生のニューギニア・シンギング・ドッグは半世紀にわたって目撃されていませんでしたが、2016年になってニューギニア島西部の高地で、探検隊が野生の犬15頭を発見しました。

「ハイランド・ワイルド・ドッグ」と名付けられたこの犬は、もしかしたらニューギニア・シンギング・ドッグの祖先かもしれないと考えた研究者らは、2年後に再び同地を訪れて調査を行いました。

3頭のハイランド・ワイルド・ドッグから採取された血液からDNAを調べた結果、一致こそしなかったものの、現在までに確認されているどの犬種よりもニューギニア・シンギング・ドッグに遺伝子配列が近いことが明らかになりました。この差異は、物理的に数十年間離れていたことや、飼育個体の近親交配による影響であると推測されています。

研究者らは、このハイランド・ワイルド・ドッグと飼育個体のニューギニア・シンギング・ドッグを交配させて、いずれは本来のニューギニア・シンギング・ドッグを取り戻したいと語っています。

大量の泡が発生する現象「カプチーノ・コースト」に飲み込まれ5人死亡、オランダ

カプチーノ・コースト
Youtube channel:RTL Nieuwsより「Zo ontstond een gevaarlijke schuimlaag op zee bij Scheveningen

オランダ・ハーグ郊外、北海に面するスヘベニンゲン沖でサーファーがカプチーノ・コーストと呼ばれる現象にのみ込まれて5人が死亡した。5人のうち2人は事故が起きた5月11日の夜に発見され、蘇生が試みられたが間もなく死亡が確認された。残り3人の遺体は翌日12日に発見、救助隊が救助できたのは1人だけであったという。

カプチーノ・コースト

今回の事故の原因、そしてその救助活動を妨げたのはカプチーノ・コースト(Cappuccino Coast)、日本では「波の花」と呼ばれる現象だ。
このカプチーノ・コーストは、海上で微小なプランクトンが異常発生する赤潮に由来する分泌物、またはその分解物を含んだ粘性の高い海水が、悪天候により撹拌(かくはん)されて海岸に大量の泡が発生する現象だ。

赤潮の原因となるプランクトンの種類などによって泡の色や性状は変化する。しばしば、海に流出した大量の廃棄・汚染物質が原因となってカプチーノ・コーストが発生することもあり、有害な藻類により発生した場合とあわせて注意が必要なこともある。

今回の事故ではサーフィンの訓練を行っていた数人が突然の悪天候に見舞われ、発生したカプチーノ・コーストの泡に”のみ込まれた”という。警察、消防士、沿岸警備隊まで参加した救助は難航し、救助ヘリがプロペラを使って大量の泡を吹き飛ばす様子もみられた。

Cappuccino Coast2
Youtube channel:RTL Nieuwsより「Zo ontstond een gevaarlijke schuimlaag op zee bij Scheveningen

日本でもみられるカプチーノ・コースト、”波の花”は美しい光景ではあるが、発生には強風や高波などの条件が揃っているため、見物の際にはくれぐれも波打ち際には近づかないように。