観葉植物は本当に空気をきれいにしていた――イギリス・バーミンガム大学

室内に設置する観葉植物は癒しであるとともに、健康にもよい影響を与えている可能性があります。イギリス・バーミンガム大学の研究者らは、観葉植物を室内に置くことで二酸化窒素(NO2)を低減できることを『Air Quality Atmosphere & Health』で発表しました。

二酸化窒素は代表的な大気汚染物質であり、いわゆる「NOx」のひとつです。地球規模ではほとんどが生物活動から発生していますが、燃料等の燃焼でも発生し、光化学スモッグの原因となったり、血液中のヘモグロビンと結合して血液の酸素運搬能力を低下させるほか、高濃度では呼吸器疾患を引き起こします。

研究者らはスパティフィラム、ドラセナ・ゴールドコースト、ザミオクルカスなどの植物を室内に設置し、明るさや培地の水分量などの条件とともに二酸化窒素の濃度を調べました。

その結果、観葉植物の種類やその状態・環境に関わらず、1時間程度で二酸化窒素濃度が低下することが確認されました。この実験で最も二酸化窒素濃度が低下したのはドラセナ・ゴールドコーストで、一般的な室内の明るさ(500ルクス程度)でかつ、培地を湿らせた状態にしたものであったといいます。

今回の研究で行われた別の検証によると、換気状態の悪い15㎥ほどのオフィスでは、ドラセナ・ゴールドコーストを5鉢置くことで二酸化窒素濃度を19.5%低減できる可能性があることが明らかになりました。

論文の特筆者は「実験で使用された全く異なる3種類の植物はいずれも大気中の二酸化窒素を除去する能力は似通っていた」と説明しています。

また、今回の研究について「観葉植物は葉の気孔から二酸化炭素を取り込むが、同様のプロセスで二酸化窒素を取り込むとは考えていない」と述べており、植物が再び二酸化窒素を大気に放出する兆候がなかったことから、植物が育つ土壌に関与した、何らかの生物学的プロセスが存在する可能性についても示唆しています。

去年発見された「世界最大のジャガイモ」、実はジャガイモではなかったことが明らかに

去年発見された「世界最大のジャガイモ」が、実はジャガイモではなかったことが明らかになりました。


Youtube 『New Zealand couple may have found world’s biggest potato | Newshub』より

ニュージーランド北島のハミルトンに住むコリン・クレイグブラウンさん(62)は去年8月、自宅の庭で巨大な”ジャガイモ”を発見し、夫婦2人で7.9kgもの塊茎(かいけい)を掘り出しました。

▽発見当時の動画。夫婦は掘り出したこの塊茎に「ダグ」という名前が付け、運ぶための台車まで作ったといいます。

現在、ギネス世界記録に認定されているジャガイモはイギリスで発見されたもので、重さは4.98kgであったことから夫婦はさっそくこの”ジャガイモ”をギネス・ワールド・レコーズに申請。

しかし今月になり、ギネス・ワールド・レコーズから「DNA鑑定の結果、ジャガイモではなくウリ科の植物の塊茎であったことから申請を却下します」という旨のメールが届いたといいます。

夫婦らがこの鑑定結果から調べたところ、庭にあったのはジャガイモではなくハヤトウリでした。夫婦は生で食べて味を確かめましたが、実はハヤトウリの塊茎はジャガイモの味に似ているのだそう。

ちなみに、現在ギネス世界記録に認定されているジャガイモはこちら。

Heaviest potato – Guinness world records

アマゾンで暮らしている先住民、世界で最も認知症が少ない可能性

南米のアマゾンで暮らしている原住民が、世界で最も認知症が少ないのではないかという研究成果がアメリカ・南カリフォルニア大学により発表され、今月9日に『Alzheimer’s & Dementia: The Journal of the Alzheimer’s Association』に掲載されました。

南米ボリビアのアマゾンで現在も自給自足の生活で暮らしているチマネ族は人口約1万7,000人の民族で、狩猟や採取などを行って生活しています。

一方で人口約3,000人のモセテン族はチマネ族よりも街に近い方で暮らしており、水道設備や医療サービスなども利用可能で、学校もあるため識字率が高いといいます。

▽チマネ族の人々。

Youtube 『We Are What We Eat: Bolivia | Nat Geo Live』より

研究者らはこの2つの民族の60歳以上の高齢者を対象に認知症のスクリーニングテスト「ミニメンタルステート検査」や文化に関するインタビュー、ときに頭部CTを用いた画像検査などを行って認知機能を調べました。

その結果、認知症と判定されたのはチマネ族では435人中5人(有病率1.2%)、モセテン族では169人中1人(有病率0.6%)で、いずれも患者は80歳以上であったといいます。

アメリカにおける65歳以上の認知症有病率は約11%、日本においては厚労省によると約16.7%と報告されており、この差について論文の特筆者は「産業革命以前の生活における何らかの要素が認知症から保護しているのかもしれない」と述べています。

Reference:Study: Some of the world’s lowest rates of dementia found in Amazonian indigenous groups

雷雨を撮影していたらすぐ上の屋根に落雷――アメリカ・フロリダ州


Youtube 『Lightning Strikes the Front Porch || ViralHog』

今月18日、アメリカ・フロリダ州のデフニアック・スプリングスで、驚くほど近い距離に落雷する動画が撮影され、21日に公開されました。

▽※落雷の大きな音と悲鳴が聞こえますので、再生する際は音をあまり大きくしないよう注意してください。

撮影者の女性は雷雨の様子を撮影するためにフロントポーチに出たところ、偶然にもそのフロントポーチの屋根に落雷したとのこと。動画では落雷の発生と同時に大きな火花が発生し、弾ける様子が映っています。

この落雷により、フロントポーチの屋根を支える2本の支柱が破損したものの、怪我などはなかったようです。

雷雨が発生しているときには、木や建物の側は逆に危険ですので、こうした場合にはなるべく屋内や車のなかに避難しましょう。

1週間に1時間の筋トレで病気や死亡のリスク減少、ただし2時間以上でリスク増大の可能性

東北大学をはじめとする研究者らは、週に30~60分の筋肉トレーニングによって病気や死亡のリスクを減らせる一方で、週140分以上の筋肉トレーニングで逆にリスクが高まる可能性があることを明らかにしました。

筋トレ(筋肉トレーニング)は文字通り、筋肉量および筋力の向上を目的とした運動のことです。近年は新型コロナウイルス感染症の流行を受け、自宅でも簡単にできる運動として筋トレをはじめる人々が増えていますが、筋肉をつける以外にもどのように健康に影響を与えているのかよく分かっていませんでした。

東北大学、早稲田大学、九州大学の研究者らは、これまでに公表された1,252件もの研究結果を収集して分析した結果、筋トレを実施すると心血管疾患やがん、糖尿病、総死亡のリスクは10~17%減少し、これらは週30~60分の筋トレで最も効果的であったといいます。

ただし、週130分~140分以上の筋トレを行うと、糖尿病以外ではリスク低下の効果がなくなるばかりか、逆にリスクが増大することも新たに明らかになりました。

リスク低下が最大となる週60分という時間は、毎日の隙間時間でも十分に行えるので、日頃の運動に加えて始めてみると良いかもしれません。

逆に、リスクが上昇しはじめる週130分~140分以上という時間は、1日あたりに換算すると20分以上、週末の2日間で行うと1日あたり1時間以上なので、もしかしたら「ぜんぜん物足りない」と驚く人もいるかもしれません。

あくまで無理のない範囲で続けていきましょう。

※ここでの「筋肉トレーニング」は、”レジスタンストレーニング、ウェイトトレーニング、自重トレーニングなど、筋肉に繰り返し負荷がかかり、筋力の向上が期待される活動”すべてが含まれます。

Reference:ムキムキを目指すだけが筋トレではない。 筋トレで死亡・疾病リスクが減少 週30~60分を目安に – 東北大学