イギリスのペット愛護団体であるPDSAはこのほど、カンボジアで地雷撤去作業を行ってきたネズミの「マガワ」に金メダルを授与したと発表しました。
2013年に生まれたアフリカオニネズミのマガワは、ベルギーに拠点を置く慈善団体APOPOで訓練を受け、これまでに39個の地雷と28個の不発弾を匂いで発見しました。
アフリカオニネズミは中央アフリカに生息する大型のネズミで、視力はあまり良くないものの嗅覚が非常に鋭いことで知られており、APOPOの訓練担当者によると、訓練を受けたネズミは20分で200㎡を探査することができますが、同じ広さを人間がやると4日もかかってしまうそうです。
体重が1.2kgのマガワは地雷を踏んでも爆発しないため、危険はほとんどありません。訓練を受けたアフリカオニネズミが地雷のTNT火薬の匂いを嗅ぎつけるとその場で地面を引っかくので、人間が印をつけておき、あとで爆破させて処理します。
Youtube PDSAより 『HeroRAT Magawa is awarded the PDSA Gold Medal』
表彰を行ったペット愛護団体のPDSAはこれまでにも30匹以上の動物にメダルを授与してきましたが、ネズミが受賞するのは今回が初めてだそうです。
カンボジアでは現在でも1970~1980年代の内戦で敷設された地雷が最大600万個も埋まっているとみられており、1979年以降、6万4,000人が地雷で死亡し、2万5,000人が義足を使用して生活しています。
[alert title=”エピネシス・コラムズ”]アフリカオニネズミは地雷撤去のほかにも、結核患者をみつける訓練なども行っており、大きな功績をあげています。[/alert]