虫類

福井県にある採石場跡地の坑道内で新種のヤスデが発見される――福井市自然史博物館

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福井県の福井市自然史博物館は今月25日、市内にある足羽山の採石場跡地の坑道内で新種のヤスデを発見したと発表しました。

「アスワタテウネホラヤスデ」このヤスデは体長約3cmほどで、半透明の黄色褐色をしており、目は退化しているとのこと。

最初の発見は2017年で、その後も学芸員らは調査を続けて約50個体を採取し、京都大学理学研究科にDNA解析を依頼したところ新種であることが明らかになり、このほどニュージーランドの学術誌『Zootaxa』に掲載されました。

実は足羽山坑道内では以前にも新種が発見されており、1980年には「アスワメクラチビゴミムシ」、1981年には「アスワマシラグモ」、1986年には「アスワホラヒメグモ」が発見されており、今回発見された「アスワタテウネホラヤスデ」で4種目となります。

福井市自然史博物館は今後、発見されたヤスデの標本や動画、資料などを展示する予定です。

ワシントンの気象レーダーに謎の影、大発生したセミの大群である可能性が指摘される

アメリカ・ワシントンで、気象レーダーが奇妙な影を捉えたとして米国立気象局(NWS)が画像を公開しました。

この影について、専門家らは17年ぶりに大発生したセミの大群である可能性を示唆していますが、意見が分かれているそうです。

気象レーダーが生物を捉える現象はこれまでにも報告されており、過去にはバッタや羽アリ、さらにはテントウムシの大群を捉えたことさえあります。

今回の現象について、昆虫学者であるジョージア大学のナンシー・ヒンクル氏(Nancy Hinkle)はCNNの取材に対し「セミは集団で群れたりせず、飛ぶのが苦手で木から木へと短い距離を飛ぶだけであり、高度かつ長距離の飛行はしない」と説明しており、レーダーに映ったのは別の昆虫であると指摘しています。

セミであってもなくても、気象レーダーに映るほどのこの大群は人々にとって恐ろしいものに違いないでしょう…

Reference:Cicada swarms in Washington, DC, appear to show up on the weather radar. Not everyone agrees

買い物から戻ると車の中に1万匹以上のハチ、養蜂家の消防士が駆除

今年3月28日、アメリカ・ニューメキシコ州で、非常に奇妙でおそろしい出来事がありました。

ニューメキシコ州・ラスクルーセスのスーパーマーケットで午後4時過ぎ、買い物をしていたある男性が駐車場に戻って食品を積み、車を発進させようとすると、なんと後部座席にハチの大群がいることに気づいたといいます。

▽ラスクルーセス消防署のfacebookの投稿。
男性は不用心なことに、車を開けたままにしていたとのこと。
それにしても、車がひどく汚れているようですが…何か関係があるのでしょうか?

駆け付けた消防士はなんと養蜂家

通報を受けてやってきたラスクルーセス消防署の消防士ジェシー・ジョンソンさんはなんと養蜂家で、非番だったものの連絡を受けて現場へ駆け付けたといいます。


投稿された写真からは、大量のハチにも動じず、手際よく作業を行う様子が見て取れます。さすがはプロフェッショナル…
ラスクルーセス消防署のfacebook投稿より

ジョンソンさんはハチを扱うための特殊な装備と器具を持ち込み、2時間以上かけて推定1万5,000匹ものハチを駆除したといいます。

消防局によると、ハチの駆除は通常の業務ではないものの、市民の安全のために迅速対応が必要だったと説明し、警備員の1人が刺されたものの大きな被害はなかったといいます。

希少な雌雄モザイクのヤママユガを岡山県の高校生が発見――倉敷市立自然史博物館

2019年9月、岡山県の高校生が雌雄モザイクの蛾を発見し、先月12月にむし社が発行する昆虫の専門誌『月刊むし』に掲載されました。

発見したのは岡山県倉敷市・赤磐市に在住の倉敷青陵高校1年生、山田 洋平さん。山田さんは赤磐市にある惣分川で父とドジョウを探していたときに、近くの雑木林で5mほどの高さに止まっていた雌雄モザイクのヤママユを発見し、網で捕らえたといいます。

雌雄モザイクとは1つの個体中にオスの特徴とメスの特徴が混在してみられる現象で、山田さんは一目みてすぐに雌雄モザイクの個体であると直感したそうです。


ksb5cn KSB瀬戸内海放送『男子高校生が発見、雄と雌が混在した「ヤママユ」 倉敷市立自然史博物館で標本展示 岡山』

このヤママユガは体の左右半分で色がはっきり分かれており、右側がオスの特徴である暗褐色の翅、左側がメスの特徴である黄土色の翅を持っていました。また、右側だけメスのフェロモンを感知するための幅広い櫛歯状の触角が備わっています。

倉敷市立自然史博物館の研究者らによると、昆虫の雌雄型は10~20万匹に1匹程度と非常に珍しく、ヤママユガの雌雄型の報告はこれまでに3例ほどしかないといいます。

同個体は雌雄の特徴が左右ではっきり分かれており、傷みもほとんどありませんでした。生物観察や標本作りが得意であるという山田さんは報道局のインタビューに対して、今後も珍しい生き物探しに挑戦していきたいと語っています。

この標本は倉敷市立自然史博物館に寄贈されました。

奇妙で不可解な形態を持つ「ツノゼミ」の仲間たち(ギャラリー)


Cladonota sp. flickr photo by Pasha Kirillov shared under a Creative Commons (BY-SA) license

カメムシ目ツノゼミ科に属するツノゼミは世界で約600属3200種以上が発見されており、まるで昆虫の多様性を体現したかのような奇妙で不可解な形態や模様を持つものが多く存在する。なぜそんな形になったのか、問いただしたくなるツノゼミの写真18枚。


Centrotus cornutus flickr photo by Gilles San Martin shared under a Creative Commons (BY-SA) license


Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license


Twomarked Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license


Oak Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license


Buffalo Treehopper, back, MD, PG County_2013-08-20-17.27.49 ZS PMax flickr photo by Sam Droege shared with no copyright restrictions using Creative Commons Public Domain Mark (PDM)


Campylenchia latipes flickr photo by Wedontneedfeatherstofly shared under a Creative Commons (BY) license


Ant-mimicking Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license


Keeled Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license


Treehopper flickr photo by Pasha Kirillov shared under a Creative Commons (BY-SA) license


Membracis cf foliata flickr photo by Pasha Kirillov shared under a Creative Commons (BY-SA) license


20140602 flickr photo by miguelpérez shared under a Creative Commons (BY-SA) license


Black Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license


Membracid Treehopper (Heteronotus sp.) flickr photo by berniedup shared under a Creative Commons (BY-SA) license


Locust Treehopper flickr photo by treegrow shared under a Creative Commons (BY) license

Membracidae_-_tree-hopperd
B kimmel [CC BY-SA 4.0via Wiki Commons


Treehopper nymph – Ceresa species, Julie Metz Wetlands, Woodbridge, Virginia flickr photo by judygva shared under a Creative Commons (BY) license
ツノゼミの幼体も実に奇妙な形をしている。(Ceresa sp.)