三重大学の研究者は、完全水中生活のジュゴンが休息時にあくびをすることを世界で初めて確認したと発表しました。
研究者らは鳥羽水族館においてジュゴンを約20時間観察したところ、休息状態のときに「口をゆっくり開け、最大をしばらく維持した後に急速に閉める」という行動を14例確認することに成功したといいます。
同研究者らは去年7月にもハンドウイルカであくびのような行動を確認しており、完全に水中生活をする哺乳類であくびが確認されるのはこれで2例目となります。
現在のあくびの定義は「初めに口をゆっくり開けて空気を吸い、次に口の大きさが最大に達し、最後に短く空気を吐き出して口を閉じる」とされていますが、その生理機能はまだ完全には明らかになっていません。
同研究者らは、例えば人間の胎児も羊水中であくびをするといった報告もあるように、あくびは必ずしも呼吸が伴う必要がない行動であり、あくびの定義を再検討することを提案しています。