心理学

アイデアに困ったらキャンプがいいかも…テントのなかでは創造力が高まる――関西学院大学

よいアイデアが浮かばないときはキャンプに出掛けてみると良いかもしれません――

関西学院大学の研究者らは、テントのなかで作業すると創造力が高まる可能性があることを明らかにしました。

研究者らは大学構内にある教室と芝生広場にそれぞれテントを設置し、テント内と外でそれぞれ参加者に創造性課題を行わせて成績にどのような影響があるかを検証しました。

その結果、テント内にいるグループはその場所に関わらず課題の成績が高くなっていたといいます。


関西学院大学のプレスリリースより

今回の検証について詳しく分析すると、参加者には「開放的な空間で成績が高いアウトドア派の人」、「閉鎖的な空間で成績が高いインドア派の人」、「どのような空間でも成績に影響しない人」の3タイプに分かれることが明らかになりましたが、テント内ではアウトドア派もインドア派のいずれも成績が高い傾向にあったといいます。

どうやら、テントはアウトドア派にとって「屋内にいながらもアウトドア感を味わえるアイテム」として機能し、インドア派にとっては「屋外にいながらもインドア感を味わえるアイテム」として機能しているようです。

Reference:テント内で作業すると創造力が高まる可能性を示唆~Camping Campus の教育効果を初めて実証~ – 関西学院大学

サルも不公平に腹を立てる?――もし一方のサルにだけご褒美に美味しい食べ物を与えたら

ヒトはあらゆる不公平に対してしばしば腹を立てますが、サルの場合はどうでしょうか?
エモリー大学の動物行動学者・霊長類研究者のフランス・ドゥ・ヴァール氏は、オマキザルを使ってある実験を行いました。

同じ群れの出身で顔見知りの2匹のオマキザルに「貰った石を再び返す」という簡単な課題をこなしてもらい、石を返すとご褒美としてキュウリが貰えます。

しかし、一方のオマキザルだけに美味しいブドウを与えると、どのような反応を示すのでしょうか?

最初は喜んで食べたキュウリでしたが、もう一方がブドウを貰っていると知った後では不満を爆発させます。
「こんなのいらない!」と言わんばかりに試験者にキュウリを投げつけ、「なんでだよ!」と言わんばかりに窓を揺らし、台を叩きました。

かわいそうですが、あからさまな反応についつい笑ってしまいます。ところで、ブドウを受け取った方のオマキザルはどんな気持ちだったのでしょうか?

この実験には大きな反響があり、一部の人類学者や経済学者、哲学者から否定的な意見が多く寄せられました。なかには、「もしブドウを与えられた方のサルが食べるのを拒絶したと言うのなら、サルも公平の感覚があると認めよう」という意見もありました。

これについては興味深いことに、共同で研究を行っていたジョージア州立大学のサラ・ブロスナン氏が同じ実験をチンパンジーで行ったところ、一部のペアではパートナーがブドウを貰うまで、ブドウの受け取りを拒否し続けたといいます。

こうした実験を通して、私たち人間の本質が見えてくるかもしれません。

Reference:Moral behavior in animals -TED-