ツツイカも色を変えて擬態することができる、掃除中に偶然発見――沖縄科学技術大学院大学

タコやコウイカは周囲の環境にあわせて体の色を変化させる擬態能力を持つことが知られていますが、このほどツツイカも体の色を変化させる能力があることを沖縄科学技術大学院大学の研究者が偶然発見しました。

イカ大きく分けてコウイカ類とツツイカ類に大別することができますが、ツツイカの多くは外洋に生息しており、飼育が難しいため擬態能力の研究についてはこれまでコウイカやタコが研究対象となっていました。しかし2017年に沖縄科学技術大学院大学の研究チームはツツイカの仲間であるアオリイカの長期飼育に成功し、観察実験を行うことができるようになりました。

そしてある日、研究者らが水槽に生えた藻を除去する清掃を行っていると、藻を除去した場所とそうでない場所ではアオリイカが体色を変化させていることに気付いたといいます。

論文の特筆者はプレスリリースで「これは実に驚くべき反応で、そしてこの能力にこれまで誰も気づかなかったことにも未だに驚いています。」とコメントしています。

Reference:第3の頭足類ツツイカが背景に合わせて体色を変化させることを初めて記録 – OIST

ブタ小屋に侵入したクマ、強烈な突進をくらいフェンスに叩きつけられる(動画)

先月17日、アメリカ・コネチカット州ニューミルフォードでクマが柵を乗り越えてブタ小屋に侵入するも、ブタに返り討ちに遭うという出来事がありました。

▽熊が侵入するのは1分30秒後あたりから。

クマが柵のなかに入った瞬間、待ち構えていたメアリーというブタに突進をくらいそのまま後方のフェンスに叩きつけられました。その様子はまるで金網デスマッチのよう。

クマは追撃を避けるためにまわりながら後退しますが、ここで小屋の奥からオス豚のヘミーが登場。強烈な突進を避けるために自らフェンスの端へ追い込まれてしまいました。

分が悪いと判断したクマは急いでフェンスを登って逃げました。そこに追い打ちをかけるように威嚇するヘミー。飼い主のレベッカさんによると、このヘミーは自分の影にすら怯えることがあるのだそう。

もはやクマが何をしにきたのか分かりませんが、ここにクマが来ることは二度とないでしょう。

がんになりにくいハダカデバネズミ、発がんさせようとしても発症しない――広島大学ら研究チーム


A Face Only a Naked Mole Rat Queen Could Love… flickr photo by John Brighenti shared under a Creative Commons (BY) license

ハダカデバネズミはアフリカのサバンナの地下に生息するマウスと同程度の大きさのげっ歯類です。最大寿命は37年以上の「最も長寿なげっ歯類」で、がんをはじめ老化に伴うさまざまな病気になりにくいことが知られており、このハダカデバネズミががんに罹ることはほとんどありません。

熊本大学、東京大学、広島大学、岩手医科大学、日本医療研究開発機構などの合同研究チームは、ハダカデバネズミがどれだけがんに強いのかを調べるために、3-メチルコラントレン、またはDMBA/TPAの2種類の発がん剤を使って人為的にがんを発生させる実験を行いました。

その結果、なんと2年以上に渡って投与してもがんになったハダカデバネズミは1匹もいなかったといいます。また、皮膚がんの原因となる紫外線を照射させる実験を行っても結果は変わりませんでした。

研究者らが詳しく調べた結果、どうやら発がん剤を投与されると一般的なマウスと同じようにDNAが傷ついたり細胞死が起きたりはするものの、そのときに起きる発がんを促進する炎症応答がハダカデバネズミでは低く抑えられていたといいます。

ハダカデバネズミのがんになりにくい性質の解明が進めば、もしかしたら私たちヒトも同様にがんを”克服”できるかもしれません。

【研究成果】がん耐性齧歯類ハダカデバネズミの化学発がん物質への強い発がん耐性を証明~炎症抑制を介したがん耐性機構の一端を解明~ – 広島大学

機械学習により”バナナの皮を剥くロボット”を作ることに成功――東京大学

東京大学の研究者らはこのほど、”バナナの皮をむくロボット”を作ることに成功しました。

私たちにとってバナナの皮をむくことは簡単ですが、ロボットにとってこうした作業は苦手とされる分野であり、バナナを潰さずに皮をむくには非常に繊細な動作が要求されます。

研究者らはまずロボットアームを使っていくつものバナナの皮をむき、811分のデータセットを作製したうえで機械学習させ、人間の動作を模倣させました。

バナナの皮はだいたい3分未満で剥き終わるそうで成功率は57%だそうですが、かなりの好成績であるといえます。

これまでにない高解像度で太陽を撮影することに成功――欧州宇宙機関

欧州宇宙機関はこのほど太陽観測衛星「ソーラー・オービター」を使い、これまでにない高解像度で太陽を撮影することに成功しました。

ソーラー・オービターは2020年2月に打ち上げられたばかりの探査機で、現在までにさまざまな成果をあげています。

そして先月7日、太陽から7,500kmの距離で25枚の写真を17nmの波長で4時間かけて撮影が行われました。

これほど太陽に接近して撮影が行われたのは史上初めてで、25枚の写真を繋ぎ合わせたその画像データはなんと8,300万画素。これは4Kの解像度の10倍にも相当します。

オリジナルの画像は欧州宇宙機関のウェブサイトで閲覧またはダウンロードすることが可能です。

The Sun in high resolution -ESAhttps://www.esa.int/ESA_Multimedia/Images/2022/03/The_Sun_in_high_resolution