ジュゴンもあくびをする、イルカに引き続き2例目――三重大学

三重大学の研究者は、完全水中生活のジュゴンが休息時にあくびをすることを世界で初めて確認したと発表しました。

研究者らは鳥羽水族館においてジュゴンを約20時間観察したところ、休息状態のときに「口をゆっくり開け、最大をしばらく維持した後に急速に閉める」という行動を14例確認することに成功したといいます。

同研究者らは去年7月にもハンドウイルカであくびのような行動を確認しており、完全に水中生活をする哺乳類であくびが確認されるのはこれで2例目となります。

現在のあくびの定義は「初めに口をゆっくり開けて空気を吸い、次に口の大きさが最大に達し、最後に短く空気を吐き出して口を閉じる」とされていますが、その生理機能はまだ完全には明らかになっていません。

同研究者らは、例えば人間の胎児も羊水中であくびをするといった報告もあるように、あくびは必ずしも呼吸が伴う必要がない行動であり、あくびの定義を再検討することを提案しています。

朝食を抜くと体重が増える、マウスの朝食を抜きにして明らかに――名古屋大学


※写真は本研究と無関係です。

朝食を抜くと太るという報告がある一方、朝食を抜くだけのダイエット法なども一部で流布されていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

名古屋大学の研究者らは、活動期における最初の4時間を食べさせないようにしてマウスの”朝食”を抜きにしました。その結果、マウスの脂肪が増えて体重が増加し、さらに筋肉量が低下していました。

近年の研究では代謝に関わる内臓や筋肉の”時計”は食事のタイミングで調整されていることが明らかになっていますが、今回の実験結果について研究者が詳しく調べたところ、どうやら朝食を抜いたことによって体温や肝臓、脂肪組織の”時計”に異常が生じたために脂肪が増えたと考えられるといいます。

この実験結果はマウスだけでなくヒトにも当てはまると考えられ、研究者らは朝食をしっかり摂ることはメタボリックシンドロームやサルコペニアシンドロームの予防にも役立つと指摘しています。ダイエットに興味がなかったとしても、健康のためにしっかり朝食は摂った方が良さそうです。

Reference:朝食を食べないと、体重が増えるだけではなく、筋肉量も低下することを解明 – NU Research Information 名古屋大学 研究成果発信サイト

福井県にある採石場跡地の坑道内で新種のヤスデが発見される――福井市自然史博物館

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福井県の福井市自然史博物館は今月25日、市内にある足羽山の採石場跡地の坑道内で新種のヤスデを発見したと発表しました。

「アスワタテウネホラヤスデ」このヤスデは体長約3cmほどで、半透明の黄色褐色をしており、目は退化しているとのこと。

最初の発見は2017年で、その後も学芸員らは調査を続けて約50個体を採取し、京都大学理学研究科にDNA解析を依頼したところ新種であることが明らかになり、このほどニュージーランドの学術誌『Zootaxa』に掲載されました。

実は足羽山坑道内では以前にも新種が発見されており、1980年には「アスワメクラチビゴミムシ」、1981年には「アスワマシラグモ」、1986年には「アスワホラヒメグモ」が発見されており、今回発見された「アスワタテウネホラヤスデ」で4種目となります。

福井市自然史博物館は今後、発見されたヤスデの標本や動画、資料などを展示する予定です。

エクアドルの熱帯アンデスで体が半透明のカエルが発見される

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このほど、エクアドルのアンデス山脈のふもとを流れる谷川グアイリャバンバを挟んで、アマガエルモドキ科のカエル2種が発見され、今月18日に学術誌『PeerJ』に掲載されました。

この論文の共著者であり、非営利団体アンデアン・コンドル財団の研究員であるジェイミー・クレブラスさんは、Instagramのアカウントに今回発見された新種のアマガエルモドキ科のカエルをスライドショー形式で投稿しています。

▽ジェイミー・クレブラスさんの投稿。7枚のスライドショーになっています。

今回発見されたカエルはHyalinobatrachium mashpi(ヒアリノバトラキウム・マシュピ)とHyalinobatrachium nouns(ヒアリノバトラキウム・ノウンス)の2種。いずれも同じ標高で同じような環境に生息しています。

この2種はいずれもアマガエルモドキ科に属しており、このカエルの仲間は半透明の皮膚や体をもつことから「グラスフロッグ」とも呼ばれています。1枚目の画像では、赤い心臓や消化器官、緑色の卵が入った袋が外から透けて見ることができます。

熱帯アンデスには驚くほど生物多様性に富んでおり、未発見・未記載の種も数多く生息していますが、人間の活動によって人知れず絶滅の危機にさらされているのだそう。
発見することは、知ること、そして守ることへの第一歩です。

不機嫌なゾウが水場のカバを手当たり次第に追い出す

クルーガー国立公園で撮影された不機嫌なゾウが、水場にいるカバを手当たり次第に追い出そうとする動画が、アフリカの野生動物チャンネル『Latest Sightings』に投稿されています。

この動画を撮影した元警備員のゴードン・クランドウェルさんは50年以上も保護区を訪れていますが、こんな光景はみたことがないのだそう。

”地上最強の動物”とも目されているカバに対して、鼻を振り回し、鳴き声をあげながら攻撃していきます。たとえそれが小さな赤ちゃんでも容赦はしません――

カバがいそいそと逃げる様子をみるとやはりゾウの方が強そうに思えますが、荒ぶるゾウをわき目に、追い払うそばから次々と水のなかへと戻っていくカバこそまさしく”地上最強”かもしれません。