2019年9月、岡山県の高校生が雌雄モザイクの蛾を発見し、先月12月にむし社が発行する昆虫の専門誌『月刊むし』に掲載されました。
発見したのは岡山県倉敷市・赤磐市に在住の倉敷青陵高校1年生、山田 洋平さん。山田さんは赤磐市にある惣分川で父とドジョウを探していたときに、近くの雑木林で5mほどの高さに止まっていた雌雄モザイクのヤママユを発見し、網で捕らえたといいます。
雌雄モザイクとは1つの個体中にオスの特徴とメスの特徴が混在してみられる現象で、山田さんは一目みてすぐに雌雄モザイクの個体であると直感したそうです。
ksb5cn KSB瀬戸内海放送『男子高校生が発見、雄と雌が混在した「ヤママユ」 倉敷市立自然史博物館で標本展示 岡山』
このヤママユガは体の左右半分で色がはっきり分かれており、右側がオスの特徴である暗褐色の翅、左側がメスの特徴である黄土色の翅を持っていました。また、右側だけメスのフェロモンを感知するための幅広い櫛歯状の触角が備わっています。
倉敷市立自然史博物館の研究者らによると、昆虫の雌雄型は10~20万匹に1匹程度と非常に珍しく、ヤママユガの雌雄型の報告はこれまでに3例ほどしかないといいます。
同個体は雌雄の特徴が左右ではっきり分かれており、傷みもほとんどありませんでした。生物観察や標本作りが得意であるという山田さんは報道局のインタビューに対して、今後も珍しい生き物探しに挑戦していきたいと語っています。
この標本は倉敷市立自然史博物館に寄贈されました。